1)頭蓋骨は動く!頭蓋骨は大切な脳や脳神経を保護していますが、ヘルメットのように1個の骨でできているわけではありません。23個の骨が縫合によって結合し1つの頭蓋骨を形成しています。この頭蓋の結合部分は、西洋医学では「不動結合」といってまったく動かないものとされてきましたが、わずかに動くことがわかってきました。 脳脊髄液の生成は吸収に比べて倍の速さで行われて、この落差が脳脊髄液の循環の駆動力になっています。脳脊髄液が生成されて頭蓋骨の内側で充満すると、一時的に頭蓋骨が膨れます。その際の遊びの役割を頭蓋骨の縫合が担っています。 人間の頭蓋骨の動きの速さは、1分間に6〜 12回で頭の横径が1o 位広がったり狭くなったりします。ふつうは1分間に7〜 8回、20代の非常に頑強な男性で9〜 10回、6回以下になると体に病変が起こり、重体の病人は3〜 4回です。あたかも脳も呼吸しているようです。 2)硬膜の捻じれや緊張が脳脊髄液の循環不良を起こす。! 硬膜は頭蓋骨から仙骨まで風船のように脳や脊髄を被っています。硬膜・くも膜と軟膜との間にわずかな隙間があり、この隙間を脳脊髄液という無色透明な液体が流れています。脳から仙骨にかけて脊髄のまわりを波動循環している脳脊髄液は、神経に栄養を与え、老廃物を取り去る新陳代謝を司っています。また生きていく上で一番大事な下垂体ホルモンや睡眠に関係のある松果体のメラトニンを全身に運びます。脳は脳脊髄液が満たされている容器の中で浮いている状態になっていて、脳脊髄液は脳を保護しクッションの役割を果たしています。 頭蓋骨の縫合の可動性の悪さ、脊椎のわずかな動きの悪さから硬膜に捻じれを生じさせ、この脳脊髄液の循環作用を悪くさせます。 硬膜 大脳鎌内の静脈洞 硬膜系の前後と上下の軸 3)頭蓋調整法とは! 頭蓋骨をソフトタッチで微妙に動かしたり、動きを静止させたりして硬膜の捻じれや緊張をとり脳脊髄液の循環を良くし、自然治癒力を高める手技です。 頭蓋仙骨療法の目的は膜緊張のバランスを修復して、静脈洞ドレナージュ(脳脊髄液の排出)を良くすることです。また、硬膜による脳神経(12対)への圧迫もとれるため、三叉神経(顔面の感覚全般と下顎の運動)、顔面神経(表情筋の働きを支配)、副神経(首や肩を動かし、集団生活の中で人間特有の豊かな形に表すのに重要な役割)、迷走神経(口蓋・咽頭・喉頭の運動や消化管の全般的働きを支配して、摂食・栄養摂取という生命維持の為の基本的な営みを調整)等に良い影響を与える。副神経は、胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配している。 4)施術法 4VC(第4脳室コンプレッション) 脳脊髄液のリズムを正常に導く方法として静止点誘導する。脳脊髄液がクモ膜下腔で充満すると、頭蓋骨は横広がりのように膨れ上がります。この時点を屈曲と呼び、反対に吸収されてしぼんだ状態を伸展と呼びます。この屈曲と伸展が切り替わるときにわずかな停止があります。これを”静止点”と呼びます。この静止点を人為的に長くするテクニックがCV4なのです。 CV4によって、静止点が誘導されると、脳脊髄液が活発に循環を行うようになります。すると恒常性の維持につながりますから、自然治癒力を増やし、抵抗力がつきます。 Vスプレッド(液体誘導) 縫合制限を軽減、または正常化する際に使われる方法。 制限のある縫合を2本の指でまたぎ、そこに向かって頭蓋骨の対角線上の点に指で軽く圧をかける方法です。こうした軽い圧力をかけ続けることにより、相互緊張膜に幾分かの「ゆるみ」が生じる。 姿勢保持筋のストレッチング 上部僧帽筋、肩甲挙筋、斜角筋、胸鎖乳突筋等のストレッチングを行い、頭蓋から胸郭上部への循環、リンパの通り道を開く。 隔膜の制限の開放 横隔膜、骨盤隔膜、胸郭上口、後頭骨・環椎間 前頭骨、頭頂骨、蝶形骨、側頭骨、顎関節へのテクニック 5)適用疾患 頭痛、肩こり、腰痛、耳鳴り、めまい、むち打ち症、顔面神経麻痺、三叉神経痛、顎関節障害、吐き気、アレルギー、てんかん、高血圧、斜視、不眠症、自律神経失調症(レイノー症候群)、うつ病、更年期障害、痴呆症、メニエール症候群、パーキンソン症候群、脳卒中のリハビリ